目に見えないものと戦う人たち 帰村か離散か消滅かー福島県飯館村 『サマショール ~遺言 第六章』

映画

今年の1月、常磐線に乗り上野から福島県の南相馬市まで北上。

そしてレンタカーを借りて南相馬市から福島市に移動しました。南相馬市から福島市の間にあるのが飯館村です。

飯館村は「日本で最も美しい村」の中の一村でありまでいな(ていねいな)暮らしを村民あげて実践をしている村でした。

<までいライフ宣言 the Declaration of MADAY LIFE>
宣言1 人と地域の繋がりを“までい”に
宣言2 からだと大地を“までい”に
宣言3 家族の絆を“までい”に
宣言4 「食」と「農」を“までい”に
宣言5 人づくりを“までい”に

日本で最も美しい村といわれた飯館村は、日本でも有数の放射能に汚染された村となってしまいました。

四季折々の木々や花で覆われた大地に広がる光景の中にあるものは色とりどりの花ではなく、黒くて巨大な除染廃棄物の袋です。

 

2017年に飯舘村は避難解除されました。そして「帰村をめぐり」村人は分断されていきます。

-避難解除 帰村という選択、帰らないという選択-

帰村した人は目に見えない放射能に立ち向かいながら村での新たな日常を模索しています。

「村には見えない怪物がいる」

帰村した人の言葉が胸に刺さります。

東日本大震災以降の放射能、そしていま世界中で蔓延しているコロナウィルス。

この世紀は「見えない怪物」と戦う(もしくは共存する方法を模索する)世紀に向かっている。私はそんな気がしてなりません。

豊田直巳、野田雅也両監督が2011年3月12日からいままで取り続けていた映像がドキュメンタリー映画『サマショール ~遺言 第六章』です。

『サマショール ~遺言 第六章』を見ました。

改めて「避難解除」等という結果ではなく、そのプロセスの中にいる人たちの表情やことばに真実が隠されていると、私は思いました。

東京のポレポレ東中野で上映が決まっていますが、全国での公開のために監督がクラウドファンディングに挑戦しています。

記録されないものは、記憶もされない。

ぜひ多くの方に見ていただきたい映画です。

明日から3月。

この騒ぎの中でも東北がどうなっているのだろう。

そう、お心をお寄せ下さっているみなさまの応援をどうぞよろしくお願いします。

追伸:
映画のタイトルにある「サマショール」とは、チェルノブイリ原発事故後に立ち入り禁止区域に戻り暮らす人々のことをさすウクライナ語。世界中に衝撃を与えた「チェルノブイリ原発事故」のあとの村の「いま」もこの映画で見ることができます

ぜひ応援いただければ幸いです!
原発さえなければ 避難指示解除の飯舘村を描くドキュメンタリー
『サマショール ~遺言 第六章』

原発さえなければ 避難指示解除の飯舘村を描くドキュメンタリー
2011年3月12日から、いち早く福島に入り記録を続ける映画監督・豊田直巳と野田雅也。2017年に避難指示が解除された飯舘村で、帰村をめぐる村人たちの葛藤、そし...
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