新花巻駅を出てすぐ目の前にある「セロ弾きのゴーシュ」像に近づくと「トロメライ」が流れてきます

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東北新幹線の停車駅のひとつ、岩手県の新花巻駅の外に出ると、目の前に小さな広場があります。

そう、岩手県花巻市は日本の詩人、童話作家である宮沢賢治の故郷です。

駅の前の広場の入り口は『銀河鉄道の夜』をモチーフとしたゲートになっています。

広場に広がる「トロメライ」 チェロの響き

『銀河鉄道の夜』のゲートをくぐり、正面にあるモニュメントに近づくと、チェロの音色が響きます。

「トロメライ」はロベルト・シューマンが作曲したピアノ曲『子供の情景』の第7曲です。

「先生、そうお怒りになっちゃ、おからだにさわります。
それよりシューマンのトロイメライをひいてごらんなさい。
きいてあげますから。」
「生意気なことを云うな。ねこのくせに。」
セロ弾きはしゃくにさわってこのねこのやつ
どうしてくれようとしばらく考えました。
「いやご遠慮はありません。どうぞ。
わたしはどうも先生の音楽をきかないと
ねむられないんです。」

宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」より

モニュメントの説明が刻まれています。

 このモニュメントは、宮沢賢治の童話「セロ弾きのゴーシュ」題材として制作したものです。
宮沢賢治は花巻に生れ、その短い生涯の中で、科学者、仏教徒、教師、農民の指導者として、世につくしました。また詩や童話をたくさんつくりました。
「セロ弾きのゴーシュ」は、宮沢賢治の童話の中で動物と人間がかかわり合うすぐれた作品で、主人公の町の音楽家「ゴーシュ」が、ねこ、かっこう、たぬきの子、野ねずみの親子をふれ合いの中から人間として、すばらしい発見と、成長していくすがたをえがいたものです。
このモニュメントを御覧になられた方々が、賢治の作品の素材となった豊かな自然と暖い人々の営みのある花巻を感じでいただければ幸いです。

昭和60年3月14日 花巻市

セロ弾きのゴーシュ

公園全景。一見、なにもない空間に見えるためか、モニュメントを見に来るかたもあまりいないようです。

人があまりいないからこそ、岩手の空に響き渡るチェロの音を存分にお楽しみいただければと思います。

 

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