兼高かおる『わたくしが旅から学んだこと』(小学館)を片手に旅に出る

本を読む

いまに飛び立とうとしているジャンボジェットに兼高かおる「世界の旅」の字幕。

私が子どものころ、日曜日の朝の楽しみといえば兼高かおる「世界の旅」を見ることでした。

異国の街並み、美しい伝統衣装、見たことのない食事、心躍る祭りの様子に、息をするのも忘れたかのように見入っていました。

なによりも軽やかに世界中を飛び回る、日本人女性がいることに、青森県の片田舎にいた私は驚き、憧れの念を抱いたものです。

私が海外に行くようになったのも、兼高かおるさんへのあこがれを現実化させようとしているからかもしれません。

『わたくしが旅から学んだこと』(小学館)を繰り返し読んでいます。兼高かおるさんがどのような思いを持って撮影に臨んだのか、どのような点に気をつけていたのか等に触れることができます。

心を休めたときに頭は動き出す

本の中で休まず働き続けることで集中力や生産性が失われていく話が書かれてしました。

私がアメリカで仕事をしていたとき、バケーションを取るのが当たり前でした。逆に新卒1年目の私は日本人の働き方の思考があったのか「新卒で2週間も休めないよね」とか「逆にここで仕事をしてパフォーマンスを見せたほうがいいのではないか」と思っていました。

いつまでもバケーションに出ない私は、上司から呼び出しを受けます。

アメリカ人の上司が「そろそろ今年も終わるけど、さちはいつ2週間の休みを取るの」と聞かれました。

「仕事を始めたばかりなのでわからないことも多く、休むよりは働いたほうがいいと思っています。休みを取る予定はありません」と答えた私に

「バケーションも仕事のうち」と諭してくれました。

だらだら仕事をしていたほうが集中力は落ちること。バケーションに出て心も体も休めたほうがそのあとの生産性があがること。旅で得られた新たな情報や学びから新しい仕事を生み出せる可能性があること。

「職員がバケーションを取ったほうが、会社は成長していくのよ」と上司の言葉に「なるほど」と納得したものです。

いま、日本では「とにかく休め」と政府も声を上げていますが、「なぜ休むのか」を一度考えるとよいかと思います。

旅から得た兼高かおるさんの人生観が詰まっています

「去る者は追わず、来るものは選べ」「42歳定年説」「贅沢が文化を、余裕がアイディアを育てる」等、兼高かおるさんが旅から得た人生観がこの一冊に詰まっています。

人生。

最初の3分の1は、あとで世の中に役に立つようなことを習う。

次の3分の1は、世のため、人のために尽くす。

残りの3分の1は、自分で好きなように使う。

いま私は「世のため、人のために尽くす」ステージでしょうか。とはいえ、日々勉強。役に立てることは、引き続き学んでいきたいですね。

Kaoru Kanetaka in Hopping Around The World

このブログを書くにあたり、YouTubeで兼高かおるさんについて検索しました。

兼高かおる「世界の旅」のオープニング映像があり見ていると、番組のタイトルのあとに、英訳が出てきました。

私は、Travelling Around The World (世界中を旅する)と思い込んでいたのですが、Hopping Around The Worldでした。

Hoppingはホップ、ステップ、ジャンプのホップで、「跳ぶ」「跳ねる」という意味です。

Hopping Around The Worldは、世界中を飛び跳ねるという意味でしょうか。

軽やかに世界を飛び回り、人々の間にすっと入っていく兼高かおるさんだからこその英語のタイトルだなと納得しました。

私もそうありたい!

 

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