大学の研究を通じて生み出された社会的インパクトをウェブで紹介するーイギリスのLoughborough University(ラフバラー大学)School of Social Sciences and Humanities(社会科学・人文科学学部)

社会的インパクト・マネジメント/評価

イギリスのLoughborough University(ラフバラー大学)School of Social Sciences and Humanities(社会科学・人文科学学部)のウェブサイトの中に「Social impact」のページがあります。

https://www.lboro.ac.uk/schools/social-sciences-humanities/

大学で行われた研究のインパクトを公開

社会的インパクト(Social impact)のページには

A selection of our research impact and enterprise case studies:

(私たちの研究のインパクトや企業の事例のセレクション)

として、5つの事例が挙げられていました。

その一つにある”A UK minimum income standard”はイギリスにおいて社会的に容認される収入や生活賃金の最低水準についての調査の内容が書かれています。

調査の内容は「最低所得基準」としてまとめられました。

https://www.lboro.ac.uk/schools/social-sciences-humanities/social-impact/mis/

そして研究成果の説明の下に、その調査・研究によってもたらされたImpact(インパクト)が示されています。

Impact

RAISING PUBLIC AWARENESS
The research received an exceptional amount of media coverage – including national television, BBC Radio 4, the web and newspapers – helping to influence public thinking about minimum needs.

TAX THRESHOLDS RAISED
The Demos think-tank used the Minimum Income Standard in its report arguing for a raise in personal tax thresholds, contributing to Government policy.

PENSIONS POLICY REFORMS
The Pensions Policy Institute used the Minimum Income Standard as a key benchmark in a report considering how high pensions need to be in order to meet minimum needs. In 2010, the Treasury’s consultation paper on annuities reform suggested this benchmark as one potential criterion for a minimum income requirement.

CAMPAIGNING FOR A LIVING WAGE
The Living Wage Campaign has adopted a Living Wage level for outside London based explicitly on the Minimum Income Standard. By November 2012, 30,000 people outside London had received pay increases worth a total of £33m as a result.

CHARITABLE GIVING
Various charities use the Minimum Income Standard as a threshold to determine whether to assist people in hardship. For example, Independent Age use it to determine the distribution of £6m pa in grants to older people.

インパクトに書かれている内容の訳は以下の通りです。私が翻訳したのですが、分かりづらい表現があれば申し訳ございません。

インパクト

公衆の意識向上

この調査は、全国のテレビ、BBCラジオ4、ウェブ、新聞など非常に多くの報道に取り上げられたことで、一般市民の最小限のニーズについての考えに影響を与えました。

課税基準の引き上げ

シンクタンクのデモスが「最低所得基準」を報告書の中で使用して、個人の課税基準の引き上げを主張し政府の政策に貢献した。

年金政策改革

年金政策研究所は「最低所得基準」を主要な基準(ベンチマーク)として用い、最低限のニーズを満たすためにはどの程度高い年金が必要であるかを検討しています。2010年には、年金改革に関する財務省の諮問文章の中で、この基準は最低所得要件に対しての潜在的基準の一つであるという提案が示されました。

生活賃金のためのキャンペーン

生活賃金のためのキャンペーンは「最低所得水準」に明確に基づいてロンドン郊外の生活賃金のレベルを採用しました。その結果、2012年11月までに、ロンドン郊外に暮らす3万人が合計で3300万ポンド相当の昇給を受けました。

慈善のギビング

さまざまな慈善団体は、困難な中にいる人々支援するかどうかを判断するための基準として「最低収入基準」を使用しています。たとえばIndependent Age(イギリスのシニアを支援する団体)は、高齢者に対し年間6百万ポンドの助成金配分を決定するために「最低収入基準」を使用しています。

大学と社会的インパクト

大学の研究がいかに社会に還元されているのか、活用されているのかを知ることができました。

大学の研究は「閉じられたもの」ではなく、社会に活かされるものであることを伝えることは、社会とのコミュニケーションにつながります!

大学の研究が身近なものに感じるようになりました。

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