2020年1月18日(土)、富山県黒部市にやってきました。
始発の新幹線で黒部市に到着。レンタカーをピックアップして今回受講する『「見える化」しようくろべのふくし』の会場のホテルアクア黒部に移動しました。
今回受講したフォーラムのメモをシェアします!
オープニングトーク
CSOネットワーク 事務局長代行 長谷川雅子さん
黒部市社会福祉協議会 総務課課長補佐 小柴徳明さん
- 計画がつくって終わりということが多々ある。きちんと動かして、わかるように伝えていくことが必要
- SDGsという地球全体のゴールと、黒部のゴールがどうつながっているのか考えていきたい
「5 Goals for 黒部」について
黒部市社会福祉協議会 総務課課長補佐 小柴徳明さん
- これは「第3次黒部市地域福祉活動計画」。それをわかりやすく伝えたものが「5 Goals for 黒部」
- 問題を可視化することで、人は「気づく」
- 黒部の実態や現状などを見える化(客観的データ)、市民の声や活動が見える化(活動実績/現状把握)、将来のイメージを見える化(ネガティブ/ポジティブ)したい
- 見える化することで参画を促進したい。参加した活動を見つける(気づきからActionへ)、活動したことが個人に残る(貢献度の可視化)、活動した量が増える(活動の可視化)を図ることで参画を促す
- 黒部市総合振興計画は197ページ、第2次黒部市地域福祉活動計画も54ページ。最上位計画でも棚に置いたっきり見ない
- 難しくて、面倒くさいことを分かりやすく、シンプルにした
- 承認機関ではなくみんなで学び、考え、つくる場にした。それで5 Goalsをつくった
- 黒部市社会福祉協議会など、福祉の活動している団体も含めて、5 Goalsのどれに取り組んでいるのかを紐づける
- 目標と活動の可視化については国際交流基金日米センターの助成事業としてアメリカのCommunity Indicator Consortium(CIC)からの学ぶ
- SDGsと黒部の5 Goalsはつながっていることを知ってもらいたい
「5 Goals for 黒部」の詳細はこちらから
黒部の福祉を良くする活動計画 ─第3次黒部市地域福祉活動計画─
◆日時:2022年1月15日(土)14:00~16:30 入場無料 ◆場所:黒部市国際文化センターコラーレ マルチホール ◆定員:50名 【主 催】社会福祉法人...
社会貢献の可視化「actcoin」の取り組み
ソーシャルアクションカンパニー株式会社 代表取締役 佐藤正隆さん
- 社会貢献をする人たちの取り組みが可視化されて評価される取り組みをしている
- 社会貢献活動は、見える化がすごい鍵。それがないとまきこめない
- 個人行動変容を促し、多くのソーシャルアクターを創出
- いまのコインはポイントだが、今後は商品と交換できるなどできるようにしたい
- 社会貢献活動の妨げを解消する。アクトコインに参画することで、知る・参加する・つながるを実現する。
- 参加する時間がない
- ボランティア活動に関する十分な情報がない
- 参加するための休暇が取りにくい
- 参加する際の経費(交通費等)の負担
- 参加するための手続きが分かりにくい
- 一緒に参加する人がいない
- 社会貢献活動を「価値」に変える
- 機能的価値:実際にお金に近い。寄付できる・エシカル商品と交換できる
- 情緒的価値:楽しい、かっこいい。充実感を得られる
- 自己表現価値:自分らしくいられる。ありたい自分に近づける
Actcoinのサイトはこちら
https://actcoin.jp/
目標・指標の可視化による持続可能か地域づくり
コミュニティ・インディケーター・コンソーシアム 事務局長 Chantal Stevensさん
- 地域指標は地域の課題の中心にある
- 地域指標を使うことで変化を見たり地域で起きたことをストーリーとして伝えられる
- 「私たちなしで私たちのことを決めないで」ということが大切
- 地域指標の目的は、地域と意思決定者に知らせる、関係者の関与と連携を促す、優先順位を決めるために役立つ
- それぞれのゴールのために指標が設けられる
- 指標は地域のみなさんによって決められる。専門家の意見を聞くこともある
- 目標のために指標、数値目標や行う活動・パートナーシップを決める
- 指標がなければ活動につながらない
- コミュニティメンバー、関係者(ステークホルダー)、専門家、団体職員が地域指標づくりに携わるべき
- 地域指標を使ってどのように課題を解決するかを示すプロセスがある
- なぜこれが大切なのかという説明と共にデータをチャートで示す
- 参加してもらうことが大切。FacebookなどのSNSを使って声をシェアしている
- Community Indicators produce measures that matter:なぜ地域指標はほかの数字と違うのか
- GDP、失業率を聞いても「私がなにができる」とまで思えないかもしれない
- 私たち一人ひとりのストーリーを話しをしてはくれない
- 地域指標は私たち、住民レベルでつくるもの。私たちにとって意味のある数字として表れる
Community Indicators Consortiumのウェブサイトはこちらから
https://communityindicators.net/
パートナーシップで進める地域づくり テキサス州「CAN」の取り組み
コミュニティ・アドバンスメント・ネットワーック 事務局長 Raul Alvarezさん
- われわれは26のパートナー団体で構成されている。政府機関、非営利団体、福祉、医療機関、教育機関などとコラボレーションをしている
- The Vision of CANのビジョンは
- We are safe, just and engaged(安全であること)
- Our basic needs are met(基本的ニーズを満たしていること)
- We are healthy(健康であること)
- We achieve our full potential(可能性を最大限に生かせる社会をつくる)
- 17の指標があり、進捗状況を図っている
- たとえば、基本的ニーズを満たしていることの指標の一つは貧困率
- ダッシュボードにある指標を見せて話し合う場を持つ
- 地域指標は自分たちが管理するべきこと。地域で決めて行動につなげることが必要
Community Advancement Networkのウェブサイトはこちらから
CAN | Community Advancement Network
パネルディスカッション
- 行政と協働はプロジェクトが始まってからか、その前からか
- 地域行政は最初から関わってくれている。資金源としても半分出してくれた。地域で同じ額を集めたら、行政も同じ額を出した。行政から4人が委員として入っている(Raul)
- 多くのパターンは行政関係者や執行部や運営委員会のメンバーとして関わっているところが多い(Chantal)
- 地方行政はモノ、情報を持っているが地域住民と仲が悪い場合もある。その場合も含めてNPOや地域住民主体が保たれるようには行政の距離が大切になってくる(Chantal)
- 指標のつくり方の具体的な話が聞きたい
- 誰が参加してやるべきかを考えることも必要だが、データのあり場所も大切。 そのために既存のデータを使うか、自分たちで調査をする必要があるのか、お金がいくらかかるのかをみんなで考えていく(Chantal)
- 指標を決める段階では、それぞれのゴールの分野によって異なる。その分野で活動している地域住民、指南してくれる専門家、地方行政が関わることが必要(Chantal)
- 指標を選ぶことがビジョンやゴールと分断されず、つながっていることを確認しながら進めることが必要(Chantal)
- 指標が少ないほうが難しい仕事になる。限られているため本当にゴールに向かっているのかわかりづらい(Chantal)
- 指標が多すぎても管理するのが大変で、管理する理由が分からなくなる可能性もある(Chantal)
- 指標を決めたら、サイクルを回して、データを集め・分析・報告して、常にレビューをすることが重要となってくる。ゴールを図るのが適切ではないと思ったら改変していくことが重要(Chantal)
- 100人くらい関わった。その時点では4つのゴールは決まっていた。4つのゴールそれぞれに大きなボードをつくってこれを測るのにどの指標が適切かを出してもらった。結果、100の指標が集まった(Chantal)
- 多すぎたので、前に戻って基準づくりのステップに戻った(Raul)
- 2つの基準を考えた。ひとつは、最低5年のデータ情報か蓄積されているものであること。それによってデータによる改善・改ざんがチェックできるようになった。もう一つはテキサス州内外の指標があること。比較できるようにした。その2つの基準を使ったら30に絞ることができた。そこから最終的に委員会を作って16の指標に絞り込むことができた(Raul)
- データはどこから入手しているか
- 人口統計分析等行政が出している数字を使うことが多い(Chantal)
- アメリカは統計分析はかなり細かくされている。性別、年齢、人種で分けられているデータが存在する(Chantal)
- 連邦、州、市町村レベルにあるデータを集計し、クロス集計するといろいろなことがわかる(Chantal)
- 地域指標を特別なものにする場合、そこにはないデータとなる。幸福化、存在する野鳥の数、自転車を使って通勤をしているか等は、自分たちで調査をしないといけない。住民の人たちがデータを集める役割を担う必要がある。ボランティアにお願いをするとお金がかかるのでそれをどうするかなどをみんなで考えていく(Chantal)
- 公的なデータから数字を引っ張ってくる。私たち自身で集めているデータは特にはない(Raul)
- ひとり一人の参加する意欲をつくる仕組みを、地域企業や地域行政の賛同を引き出していくことをどのように考えているか
- 今後オンラインでもプロジェクトを起こしてActcoinを使う人とコミュニケーションを取りたい(佐藤)
- 1700ある自治体と直接やりとりは難しい。黒部市や社会福祉協議会などセクターと接点を作っていく(佐藤)
- コミュニティが大切。地域コミュニティでまずは20人、50人、100人でスムーズに使えるようにしていきたい。一緒に事件ができればと思っている(佐藤)
- ウェブサイトはいつ公開になるのか。U-40を活かすことの具体的な取り組み
- 4月1日にはウェブサイトをオープンできるようにしたい(小柴)
- U-40の取り組みとして、子どもたちへの福祉教育を大切にしたい。でないと、お互いさまの社会がなくなってしまう(小柴)
- どんな市民が参画しているのか
- 出発点は地域指標を考える私たちが地域を理解しているか(Chantal)
- 地域で区切るのであれば人口の状態を見て、多く住む傾向のある属性の人に会合に来てもらうようにする(Chantal)
- 男性に偏っていたら、参加を制限することもある(Chantal)
- 20代の声が聞きたいというケースであれば、20代の人が集まっているところにこちらから出向いてお願いする。そして20代が参加しやすい場所にしたりと配慮する(Chantal)
- 色々な参加者に声をあげてもらうためには、良質のファシリテーターを置くことが大切(Chantal)
- 社会的な課題に取り組んでいるNPOや活動団体が参加するケースが多い(Raul)
- オースティンは日本の町内会にあたる組織はないので、活動しているグループが参画するケースが多い(Raul)
- 平日の夜など地域の人が来やすい時間に設定する(Raul)
- 一回来てもらうことで、結果がこうなりましたと伝える。伝えることによって関係が継続する(Raul)
以上です。
私がカンボジアでプロジェクトマネジャーをしていたときにプロジェクト目標と成果目標、それを測る指標を地方行政や学校関係者などステークホルダーと一緒につくっていました。そのときを振り返ると共に、改めて指標の<あり方>について考える機会となりました。
指標は
- 目標を達成するための道しるべであること
- 分かりやすい形で情報を公開することで参画が生まれること。その参画を通じて指標はつくられるべきであること
- 参画してつくられた指標は、ステークホルダーの「我がこと化」を生み、参画した住民自身が指標のデータを意識して追うようになる=行動を起こすムーブメントを創り出せること
等の効果があるのではないでしょうか。
今回のフォーラムに参加することで、Actcoin2000ポイントが追加されました!
ちなみに私は今回のフォーラムを共同主催したCSOネットワークの中にあるラボであるImpact Management Labのアソシエイトです。今回はアソシエイトとしての勉強のために参加しました。
メンバー紹介 - Impact Management Lab | インパクト マネジメント ラボ
インパクト・マネジメント・ラボの組織運営としては、組織としてのagileさと関わる個人としてのnimbleさを目指しています。物事の余白や実験から生まれるインス...
今年はさまざまな案件にも直接携わっていきたいです。