オノヨーコの個展を訪れると、部屋の中にハシゴがあった。
登って、天井を見上げると書かれていた言葉が
”Yes”
その瞬間、ジョン・レノンは恋に落ちる。
そんなエピソードを聞いたのは高校生の時だと記憶している。でも誰から聞いたかは覚えていない。
16歳とか17歳の私。それも、女子高にいた私は、瞬時に恋に落ちる感覚が分からななった。
一目惚れ・・・はあるかもしれない。それは”人”を見て、ビビット感じるものではないか。
天井に書かれた”Yes”をみて、恋に落ちる?男子って単純・・・じゃなく、複雑だ。
ジョンにとって、その言葉は”十分”なものだったのだ。恋にするに。愛するのに。
人の出会いってそんなものだ。魂が共鳴していたなら。
色々スランプだった。何をやっても、空回りしているような気がした。いつもは気にしない、周りの目が気になるようになった。うまくいっているような気がしていた。
でも、うまくやっているってどういうこと?
そんな日に四谷のギャラリーの壁に合った文字が目に入った
「この部屋に存在している いろんな部屋を見つけて下さい」
一つのことだけ見ていないか。
この空間は無限大ではないのか。
まだ自分が気が付いていない扉がたくさんあるんじゃないか。
スタッフの方が一言。
「これ、オノヨーコが書いた落書きなんです」
心の中の闇がストンと落ちた。
その感覚は、ジョン・レノンが味わったものかもしれない。
心の中で私は叫んだ。
その言葉は
“Yes”
160-0004
東京都新宿区四谷 4 丁目 34-1
新宿御苑前アネックスビル 1F
P3 art and environment
本棚もあります!
Yes!あ、この本もよろしくです。