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寺山修司『書を捨てよ、町へ出よう』(角川文庫)正義の存在しない時代は不幸だが、正義を必要とする時代は、もっと不幸だ

テレビをつけてニュースを見ると、飛び込んでくるニュースは悲しくて悲惨なものばかり。

虐待、いじめ、殺人、自殺、脅迫、詐欺

そんなニュースが繰り返し繰り返しテレビから流れてくる。そしてコメンテーターたちが、「責任」の所在はどこにあるのかを語り始める。

「責任が誰かではなく、もっと広い意味で正義はどこに行ってしまったんだろう」そんなことをぼんやり思いながらテレビを眺めていた。

寝る前に寺山修司の『書を捨てよ、町へ出よう』をペラペラとめくっているとこんな言葉を見つけた。

正義の存在しない時代は不幸だが、正義を必要とする時代は、もっと不幸だ

32ページ

なるほど。

いま、そんな時代にあると思う。正義を必要としているいまの時代は、不幸なのかもしれない。

だけど正義の不在を嘆くのではなく、それを受け止めながら一歩でも二歩でも、小さくてもできることを探していきたい。

そう思った。

 

鎌倉幸子(かまくら・さちこ)

アメリカ、オランダ、ドイツ、カンボジアでの海外生活15年の青森県民。現在は東京都在住。認定ファンドレイザー。社会的インパクト・マネジメント/ITコミュニケーションとファンドレイジングが守備範囲。 詳しいプロフィールはこちら。