アメリカ図書館協会のMidwinter Meeting 2020(真冬の会議)に社会的インパクト関連のセッションがあります

公共施設における社会的インパクトについて学んでいます。

今日、アメリカ図書館協会(American Library Association)が2020年1月24日から27日にペンシルベニア州フィラデルフィアで開催するMidwinter Meeting 2020(真冬の会議)のプログラムを見たら、社会的インパクト(Social Impact)とタイトルや説明文に入ったセッションが開かれていました。

▽American Library Association Midwinter Meeting and Exhibition 2020(大会の公式サイト)

ALA Midwinter 2020

▽プログラムスケジュール

Symposium on the Future of Libraries - Schedule | ALA Midwinter 2020

【2020年1月25日(土)15:00~16:00】

Diversity, Equity, and Inclusion in Action: Creating Customer Journeys to Generate Equitable Communities—How to Use Asset Framing to Design Experiences for Social Impact

多様性、公平性、包括のためのアクション:公平なコミュニティを生むためのカスタマージャーニーづくり~社会的インパクトを経験をデザインするためのアセットフレーミングの使い方

Librarians have an opportunity to model best practices in equitable customer experience with every touchpoint. Defining communities in general terms such as “at risk” often perpetuates systematic racism and biases that we are working to break down. A vanguard of leaders is reframing the language and approach, by defining people by their aspirations and contributions before noting their challenges. This approach, called “Asset Framing” makes it much clearer to understand the systemic causes behind their struggles. In this workshop, participants create customer journeys using the Asset Framing “Framework” to learn how to apply these principles in their daily work.

司書には、すべてのタッチポイントで利用者が公平な体験ができるベストプラクティスをモデル化する機会があります。「リスクにさらされている」などの一般的な用語でコミュニティを定義することは、時に、体系的な人種差別と私たちがまさに排除しようとしている偏見を永続させることにつながってしまいます。先駆的なリーダーは、課題を記す前に、人々の願望と貢献を定義し、言語とアプローチを再構築しています。 「アセットフレーミング」と呼ばれるこのアプローチは、彼らの闘争の背後にある体系的な原因を理解することにより、より明確にします。 このワークショップでは、参加者はアセットフレーミング「フレームワーク」を使用してカスタマージャーニーを作成し、これらの原則を日常業務に適用する方法を学びます。

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カスタマージャーニーは、商品を購入する人物像を設定し(図書館の場合はユーザーの人物像)、その人がどのような行動、思考、感情を持っているのかを分析。利用につながるシナリオをつくります。

「アセットフレーミング」はどのような手法なのかネットで調べましたが出てきませんでした。英語では出てくるので、この手法を調べていきます。

【2020年1月27日(月)】

Measuring the Library’s Impact on Your Community’s Social Infrastructure

コミュニティの社会的インフラとしての図書館のインパクトを測定する

In the book, Palaces for the People, Erik Klinenberg makes the case that a better future for our society can be built around the concept of social infrastructure. Over the past decade, a growing body of evidence is being generated in community development proving the impact of our work. In this workshop participants will learn how economists, psychologists, UN policymakers, academics, and urban planners are incorporating outcome measurements to quantify health and well-being factors including “quantifying happiness.” Participants will analyze current library programs and learn to apply outcome measurement techniques in their daily work.

エリック・クリネンバーグの著書『Palaces for the People』では、社会のインフラの概念を中心として私たちの社会のより良い未来が築かれていくと主張されています。 過去10年間、コミュニティ開発において私たちの仕事のインパクトを証明する証拠を求められることが増え続けています。 このワークショップでは、経済学者、心理学者、国連の政策立案者、学者、都市計画者がどのようにアウトカム測定を取り入れて、健康や幸福等「幸福の定量化」を定量化するかを学びます。 参加者は、現在の図書館プログラムを分析し、毎日の仕事に成果測定技術を適用することを学びます。

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どちらのセッションの講師もMargaret Sullivan Studioという会社の職員が務めるようです。

Margaret Sullivan Studio
Margaret Sullivan Studio is a highly regarded full-service design firm with a un...

この会社の事業も要チェックですね!

日本でも図書館における社会的インパクト評価を求められるときが近々来るのではないでしょうか。

アメリカの事例がすべてではありませんが、先進事例を学び、最適化できないか。私も考えていきたいです。

鎌倉幸子(かまくら・さちこ)

アメリカ、オランダ、ドイツ、カンボジアでの海外生活15年の青森県民。現在は東京都在住。認定ファンドレイザー。社会的インパクト・マネジメント/ITコミュニケーションとファンドレイジングが守備範囲。 詳しいプロフィールはこちら。