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日本初の豪華クルーズトレイン「ななつ星」。あと1%だけみんなが頑張ることの大切さ

●日本初の豪華クルーズトレイン「ななつ星」。あと1%だけみんなが頑張ることの大切さ

博多駅で、「ななつ星」発見!

テレビなどでご覧になった方も多いかと思います。今は今年の10月から2016年2月までの予約を受け付けているみたいですね。一番早くても半年待たねばいけません。

ちなみに3泊4日、一人で一番いいスイートルームに泊まると130万円するのです。突然お金の話をするのは下品ですね。失礼しました。

九州は7つの県(福岡、大分、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島)でなっています。また自然、食、温泉、歴史文化、パワースポット、人情、列車という九州が誇る7つの観光素材を表現し「ななつ星」になったそうです。また7両編成でもあります。

銀河鉄道のようですね。

 

外から中をチラ見。カーテンの刺繍、ランプにも星がついていてこだわりを感じます。それにこのランプのカタチもユニークですね。

こちらダイニングカーもあるんですよね。九州の四季折々の旬の食材もいただけるそうです。

そして、今日改めてこの本を手にしました。この「ななつ星」をデザインしたドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治さんの著書『あと1%だけ、やってみよう~私の仕事哲学』(集英社インターナショナル)です。

博多で偶然ですが「ななつ星」を見て、この本は大阪・心斎橋のスタンダードブックストアで購入し、東京で読むという荒業をしています。まさに、本を片手に、どこまでも。


私は、本を読んでいてこれだと思う言葉を愛用の「読書ノート」に書き留めています。

気分だけでも「ななつ星」を感じるべく、カフェでワインを飲みながら読み進めております。ささやかな贅沢をしてみる。(ここのグラスワイン380円なんですよ)

水戸岡さんの言葉が、沁みます。仕事を進めるテクニックではなく、姿勢を学べます。

 相手と感動を共有すること

前例のない「ななつ星」のような高級寝台列車やJR九州の新幹線などのデザインを手がけた水戸岡さんですが、仕事の原点は「感動」と述べられています。

予感と感動の共有を、相手とすること。これは発注をした企業とだけではなく、一緒に働くスタッフや職人さん、そして何より利用者の方の気持ちに向き合いながら、「感動の共有」をどう生み出すかを考え抜きながら、どことん試行錯誤を繰り返していっているそうです。

 自分の感動体験を忘れない。そしてストーリーとして伝える

幼稚園の時、青森から寝台列車に乗って東京に行ったことは私も忘れられない記憶として残っています。祖父と2人旅だったのですが、何が忘れられなかったかといえば食堂車です。電車の中で、メニューを見ながらご飯を選び、きちんとお皿にのった温かい食事が出てくるという非日常の空間がそこにあったのです。また祖父がいろいろ面倒を見てくれたのも、思い出だされます。(ぐずっていないか、私)

今は新幹線で東京~新青森が3時間半と、本を読んだり、眠ってしまえば、もう目的地です。ここまで時間が短いと、お弁当を買わずに出発駅でご飯を食べることも増えました。

さて、水戸岡さんも昔、新幹線の食堂車で富士山を見ながらハンバーグを食べたそうです。景色を見ながら食べたという経験が、1992年に運行をスタートした特急つばめに食事ができる場所を創る提案をした理由でした。

食堂車が廃止の一途をたどる中での提案なので周りからは反対されましたが、当時JR九州の旅客局営業課の統括補佐だった丸山康晴さんが間に入り調整をしてくれてビュッフェ車両が作られます。

その時の言葉が「食堂車がなくなれば、この車両の物語がなくなります」(20ページ)でした。ただ自分の昔の思い出話ではなく、列車の存在意義をストーリーにし、相手に伝えていったのです。

これも感動の共有かもしれませんね。

 経営、歴史、哲学

上に述べたリーダーシップ論と重なりますが、リーダーであろうと、デザイナーであろうと経営、歴史、哲学などの学問を身につけないといけないと水戸岡さんは語っています。

お金儲けのために家族や友人を不幸にしてよいのでしょうか。自分の会社だけが儲かり、社会に負の影響をお及ぼしていてよいのかという経済至上主義のアンチテーゼを鳴らしています。

歴史は繰り返されます。

人間が生きてきた道や思想を、こんな流れのはやい時代だからこそ見つめ直していきたいと、改めて考えました。

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