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月刊『弘前』の巻頭随想にエッセイが掲載されました

1979年(昭和54年)8月1日より続く月刊『弘前』

弘前市民としてはあこがれのメディアの「巻頭随想」を書きました。

弘前市のジュンク堂、黒滝書店などでお買い求めいただけます!

月刊『弘前』
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月刊『弘前』2019年12月号(第485号)

特集 津軽塗は今
津軽地方の家庭には、おそらく必ずと言っていいくらい津軽塗の製品があると思う。津軽塗の箸やお椀は毎日の食卓に並び、色や長さによって誰の箸かが分かるようになっている。
来客があると出される茶道具も茶櫃から茶筒、茶さじに茶托、急須台、お盆に菓子器、銘々皿、黒文字まで津軽塗。大事に大事に使っている。そんな家庭も多いのではないだろうか。
そして年配の方なら、運動会や観桜会で風呂敷で包んだ津軽塗のお重をゴザの上に広げ、家族や親戚まで車座になって食べた記憶があると思う。今となってはあまり見かけない風景となってしまったが……。
津軽塗の技術が2年前の平成29年7月21日国の重要無形文化財に指定された。
津軽塗は今、どのような状況にあるのだろうか。

表紙写真

初 雪・・・・・・村田孝嗣

巻頭随想
多様性の尊重と世界平和を考える・・・・・・鎌倉幸子(かまくらさちこ株式会社代表取締役)

特集 津軽塗は今
サイエンス、ときどきナンセンス  その25
アルゴリズムよりも速く走る・・・・・・清水俊夫
猫の時間 6
いつもは永遠じゃない・・・・・・清水典子
さまよえる演劇人 225
リップクリーム・・・・・・長谷川孝治
ガマシンの半覚醒日記 110
共演しちゃったのだ!・・・・・・鎌田紳爾
多々他譚~TATATATAN~ 104
弘前ヒミツ口寄せ会議~12月8日と10日~・・・・・・世良 啓
整体雑想庵 9
禁点の硬結・・・・・・前田普山(じねん堂休息庵)
ニャンともワンダフル 225
願 い・・・・・・西谷昭子
誌上美術館―西谷昇仙の世界 6
「藝に游(遊)ぶ」・・・・・・西谷昇仙
男の厨房 225
おにぎり・・・・・・藤盛嘉章(藤盛医院)
文化とデザイン 8
クリスマスツリー・・・・・スティーブン・マックウィニー(弘前学院大学文学部英語英米文学科 講師)
発信 学都ひろさき 110
地域全体で「出藍の誉れ」を実現する学校教育に向けて・・・・・・本山敬祐(東北女子大学家政学部児童学科 講師)
続 よしなしごと 3
プロメテウスの火・・・・・・福井次郎
男→女リレー随想 168
りんごのまちで・・・・・・須藤七星
医者様のくりごと
人生、二刀流・・・・・中村幸夫(老健カルモナ施設長岩手県滝沢市)
旅の窓から 281
椎葉二合庵 ②・・・・・・根深 誠
ましらの珍句漫句 329
狂い咲き・・・・・高森ましら
ミヤノハウス 5
溶け込むもの・・・・・・ミヤモトフミ(まんなかづくり実行委員会)
霜ネタ劇場 202
無芸蕎麦大食(続 出石編)・・・・・・高瀬霜石
昆虫学者の日常 25
見たことのない生き物を探す・・・・・・中村剛之(弘前大学教員)
今月の一冊
『ききりんご紀行』・・・・・・安保美智子
11月のベストセラーズ
城下町日録 45
時間を味方に ・・・・・・佐々木宏一
弘前告知板・出版案内
目次
表紙によせて・・・・・・村田孝嗣
初 雪

私がよく通る道に、毎年同じ場所に同じ物を同じように干す家がある。日焼けして黒ずんだ小屋の腰板を背景に、まだ瑞々しさを残している大根、そして丁寧に皮むきされた柿が掛けられる。おそらくその家のおばぁちゃんの手仕事なのだろう。師走に入り、冬に備えての手仕事なのだ。
その光景を見つける度に、「今年もまた掛かっている」と安堵感を覚える。私自身、後どのくらい生きられるかわからないが、密かにこののどかない光景が続いて欲しいと思う。この年は、ちょうど初雪の降る中、今年もあったと潤いに満ちた気分で眺めた。

鎌倉幸子(かまくら・さちこ)

アメリカ、オランダ、ドイツ、カンボジアでの海外生活15年の青森県民。現在は東京都在住。認定ファンドレイザー。社会的インパクト・マネジメント/ITコミュニケーションとファンドレイジングが守備範囲。 詳しいプロフィールはこちら。