Twitterを見ていたら”How to Save a Library”(図書館をどうやて救うのか)という言葉が目に飛び込んできました。
This true story is so fitting because of recent fundraising efforts in support of libra…
文章の途中で切れていますが、「図書館を支える近年のファンドレイジングの努力と、この実話はとても合致している」と書いてあります。
どんな実話なのか、気になります。では見ていきましょう。
How to Save a Library: This true story is so fitting because of recent fundraising efforts in support of libra… http://t.co/402tturtOL
— Hal J. Friesen (@HalFriesen) 2015, 9月 3
アメリカ・ミシガン州にあるトロイ公共図書館は、市の財政状況の悪化から、廃止へむけて検討されることになりました。
0.7 %の増税で歳入を増やせば図書館を維持できるのですが、増税に反対する住民グループが激しく異議を唱えます。
図書館を廃止するか、増税を受け入れるか・・・。
それを問う住民選挙が行われることになりました。
さて、どうなりますでしょうか。
8月2日の投票は、図書館廃止に一票を!
8月5日は、本を燃やすパーティーをしよう!
町のいたるところに、そんな看板が建てられました。ポスターが張られました。
Facebookに特設ページが立ち上がりました。新聞本を燃やすパーティーの広告が載りました。
図書館がなくなる?そこにあった本が燃やされる?
「なんてこと!」とTwitterなどのソーシャルメディアで反対の意見が拡散されます、議会で議論になります。
一つの市の問題が、州で、国で、国際ニュースで取り上げられるようになりました。
世論は「図書館継続にYES」に向き始めます。
そして、選挙の結果、図書館は継続されたのです。
増税の提案が市からあった後の議論は「税金、税金、税金、税金、税金、税金、税金、税金」となりました。
この動画の中にも、そんな言葉があります。
Changing topics from the library, books and reading to the taxes, taxes, and taxes
議論の内容が図書館、本、読書から税金、税金、税金になった。
その中で「図書館廃止」、「本を燃やす」と過激なメッセージがでることで、「それはないでしょ」と、市民が意識の変化を起こしたのです。
それがa reverse psychology campaign(逆心理学キャンペーン)でした。
さてこのキャンペーンの最終目的は図書館を残すことですが、大切にしていたのが
図書館、本、読書の価値を振り返ろう
ということです。
施設が閉館になる直前に、たくさんの”ファン”が訪れ、テレビのインタビューで「これ好きだったんですよ。寂しいですね」というのと一緒ですね(笑)
なぜ図書館なのか、なぜ本なのか、なぜ読書なのか。
それを意識し、その先にあった住民の意思が「図書館継続」でした。
議論の焦点は何か、何が問題でこの議論が始まったのか。
それを改めて振り返ると、議論って実は色んなとこに飛んでいるかもしれません。
結局何を話しているのか、分からなくなったり。
常に「問題の核心をずらさない」それを意識せねばですね。
さてこのキャンペーンはLeo Burnett(レオ・ブルネット)という広告代理店が行っています。
これに財政的に大変な町の図書館がお金を払えると思いませんが、どんな形でかかわったのだろう。
広報担当者としては気になるところです。
逆にLeo Burnettが図書館に価値を感じてボランティアでキャンペーンをやってくれたとか、キャンペーンを構築し図書館自身が運用できるようにしたのか。
そこのところが分かりませんが、図書館という公共施設と広告代理店がプロジェクトを行っているのが興味がありました。図書館友の会がお願いしたのかも。そこが知りたいですね。
Leo Burnettは日本にも支社があります。
日本の図書館でLeo Burnettにコンタクトを取ってキャンペーンのお願いをするところがあれば面白いかも!?
というかLeo Burnettにインタビューしたいな。
継続されたトロイ公共図書館はこちらにあります。
ファンドレイジングについてもふれています。